高校 古典 徒然草 大人になって沁みる一節

おはようございます。朝塾です。

古典学習に苦手を感じる人の多くは、「言葉わからないし、難しいこと言ってそう」というイメージから、遠ざけているケースがあります。まずは現代語で概要をつかみ、そこから古典文法や解釈に移っていきましょう。こちらでは、現代語で概要をつかむために一部抜粋した古典の名作を紹介していきます。気楽に楽しむくらいの気持ちでやっていきましょう。

今朝は、こちら。「つれづれなるままに 日暮らし 硯(すずり)にむかいて …」の序文で始まる徒然草。鎌倉時代、兼好法師(けんこうほうし。吉田兼好よしだけんこう)によって書かれたと言われる随筆(ずいひつ。今でいうエッセーessay)です。

乱暴な言い方をすると、「徒然草≒ヒマ人の本」なのですが、中身は秀逸。人生訓、趣味、生活などなど、ハウツー本やライフハック的な要素も多い一冊です。

【貧と富】(123段より一部抜粋 朝塾ショートバージョン)

食べ物、着物、家、これに加えて薬。この4つを手に入れられないことを「貧しい」という。この4つを手に入れることができれば「豊か」という。この4つ以上の物を欲しがることを「ぜいたく」というのだ。

【命と老】(7段・113段より一部抜粋 朝塾ショートバージョン)

人は必ずいつか死ぬ。そういう定めがあるならば、この世の中に醜い(みにくい)姿をさらして生き続け、なにになろうというのか。命長くなれば、恥も多くなる。長生きしたとしても、40歳にならないうちに死ぬことが理想である。(中略)老人が若人(わこうど)の中に混じって、若人の興味を惹こう(ひこう)として、一生懸命に話している姿は、とても見ていられない。

【花と月】(137段より一部抜粋 朝塾ショートバージョン)

だいたい、月も花もそんなに目でばかり見るものなのだろうか。春は家の中から出なくても、月の夜は部屋に閉じこもったままでも、花のこと、月のことにあれこれ思いを馳せる(はせる)のは、とても楽しいことであるはずだ。趣味のいいひとは、見るにしてもあっさり見る。品のない、無風流な人ほど、しつこく、無遠慮に見るものだ。

【つれづれ(閑)】(75段より一部抜粋 朝塾ショートバージョン)

なにもすることがなく、手持ち無沙汰(ぶさた)な時間を、人はどうして嫌がるのだろうか。せわしく心を動かすこともなく閑に(しずかに)一人でいられることこそ、最高の幸せというものなのだ。

いかがでしたか?興味を持ったらぜひ、教科書&資料集も使って理解を深めてください。日本三大随筆は覚えておきましょう。

【日本三大随筆】

・枕草子…清少納言

・方丈記…鴨長明

・徒然草…兼好法師

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