高校 古典 おくの細道 蕉風とは

おはようございます。朝塾です。

古典学習に苦手を感じる人の多くは、「言葉わからないし、難しいこと言ってそう」というイメージから、遠ざけているケースがあります。まずは現代語で概要をつかみ、そこから古典文法や解釈に移っていきましょう。こちらでは、現代語で概要をつかむために一部抜粋した古典の名作を紹介していきます。気楽に楽しむくらいの気持ちでやっていきましょう。

おくの細道 松尾芭蕉(まつおばしょう)は、「蕉風(しょうふう。本記事の最後に注釈あり)」と呼ばれる、独自の俳諧理念を作りました。おくの細道は、紀行文(旅の記録)ですが、文章は人生観を表す序文から始まります。

【序文】

月日は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行き交う年もまた旅人なり。(月日は永遠の旅人で、来ては去り、去っては来る年もまた旅人である)

舟の上に生涯(しょうがい)を浮かべ、馬の口とらえて老をむかうるものは、日々旅にして旅を栖(すみか。鳥などの巣)とす。(舟の上に身を浮かべて生涯を送る船頭や、馬の轡(くつわ。馬の口にはませる金具)を取って老年を迎える馬子(まご。馬を引いて人や荷物を運ぶ職業)は、日々の生活がまさに旅で、旅を栖としているかのようだ)

さて、平泉を目指して旅を続けていた芭蕉ですが、道に迷ったり宿に泊めてもらえなかったりといろいろな苦労の末、ようやく平泉に到着します。平泉はかつて藤原氏一族が栄華を誇り、また源義経が忠義の臣下と共に戦って名を挙げた場所ですが、今はただ夏草に生い茂っているのみです。

【夏草や 兵共が 夢の跡】(なつくさや つわものどもが ゆめのあと)

平泉から岩手、鳴子温泉、尿前(しとまえ)の関を通って出羽の国(現在の山形県と秋田県あたり)へ。最上、尾花沢(おばなざわ)から「立石寺(りゅうしゃくじ)」を訪れます。本堂に上り、物音ひとつしない静寂に心が澄みきっていくのが感じられます。

【閑さや 岩にしみ入 蝉の声】(しづかさや いわにしみいる せみのこえ)

いよいよ最上川を舟で下ってみると、川の水が満々とみなぎる急流でした。

【五月雨を 集めて早し 最上川】(さみだれを あつめてはやし もがみがわ)

この後も旅は続き、芭蕉はたくさんの俳句を残していきます。

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※蕉風とは、閑寂(かんじゃく)で気品高い芸術としての俳諧(はいかい)を目指し、「さび、しおり、細み、軽み」を重んじた作風の事

さび…古びて、趣のある美しさ

しおり…作者の細やかな感情が余情(よじょう)となって句ににじみ出ること

細み…句の心が幽玄(ゆうげん)で、微妙な境地になった状態のこと

軽み…身近な題材に美を見出して平淡(へいたん)にさらりとひょうげんすること

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