高校 古典 枕詞(あ~)

おはようございます。朝塾です。

高校古典で習う「枕詞」。わかっているだけでぐっと読み取りが楽になります。逆に、よくわからないまま現代語訳のような言葉からのイメージだけで読んでいると誤読する可能性も。しっかりと理解をして「正確にスムーズに」読解をしていかれるように練習しましょう。10月の火曜日は、「枕詞の日」として、シリーズでお伝えしていきます。

今朝は、「あ」から始まる枕詞を紹介していきます。

1.あさじうの~(浅茅生の~):丈の低い茅(ちがや。植物)の生えている、という意味。

代表句は、「あさじうの おののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこいしき」(参議等(さんぎひとし)百人一首の一首)です。

「あさじうの」は、「おの(小野:野原)」の枕詞です。

歌意は、「浅茅生の小野の篠原に忍ぶように思い忍んでいるけれど、忍びきれなくて、どうしてこんなにあなたが恋しく思われるのでしょう」つまり、「めっちゃ好きなことを隠しているんだけれど、隠しきれなくて、好き」ということ。

2.あしひきの~:(足引きの~)

代表句は、「あしきひの(あしびきの) 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む」(柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)百人一首の一首)です。

「あしひきの」は、「山」の枕詞です。

歌意は、「山鳥の垂れ下がった尾のように長い長いこの秋の夜を、(思い人と離れて)私も一人寂しくねるのであろうかなぁ」つまり、「秋の夜って長いけど、恋人も来ないし一人で寝るの寂しいなぁ」ということ。

3.あづさゆみ:梓弓。武具や神事に使われる、梓(あずさ。植物)で作られた弓

代表句は、「梓弓 ま弓つき弓 年を経て わがせしがごと うるはしみせよ」(伊勢物語 第24段 梓弓)です。

「あずさゆみ」は、「春(張る)、引く、射る、月」などの枕詞です。

歌意は、「長年私がそうしたように、新しい男と親しみ仲良く暮らしなさい」つまり、「(元カノに対して)新しい彼氏とうまくやっていきな」ということ。

4.あらたまの:新玉の。新しい年の、ということ。

代表句は、「あらたまの 年のみとせ(三年)を待ちわびて ただ今宵(こよひ)こそ 新枕(にいまくら。男女が初めて共に寝ること)すれ」(伊勢物語 第24段 梓弓)です。

「新玉の」は、「年、月、春」などの枕詞です。

歌意は、「三年間あなたの帰りを待ちわびて暮らしてきましたが、ちょうど今夜初めて枕を交わします」つまり、「(3年待っても帰ってこなかった男に対して)待ってたけど帰ってこないから、ほかの男と結婚するわ」ということ。

 

5.あおによし:青丹よし。青丹は、顔料や化粧料の黛(まゆずみ)に使われた、青年度のような暗く鈍い黄緑色のこと。

代表句は、「青丹よし 奈良の都は咲く花の 匂うがごとく 今盛りなり」(万葉集 328 小野老(をののおゆ))です。

「青丹によし」は、「奈良」に係る枕詞です。

歌意は、「華やかな奈良の都は、桜の花が匂うように繫栄している」つまり、「奈良って超いいところ、激アツスポットなんだよ」ということ。

さて、いかがでしたか。今朝は「あ~」の枕詞を集めてみました。もっと勉強したい人にはこちらのテキストがおすすめです。

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今朝のブログが、古典学習を進める人の助けになれば嬉しいです!

 

 

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