おはようございます。朝塾です。
小学6年生、中学1年生以降「使えて当たり前」になる顕微鏡について、お話をしていきたいと思います。この記事は、若手の理科の先生のために覚書としての機能もありますので、小中学生の先生方や保護者の方にも届くと嬉しいです。
ここでは、「光学顕微鏡」についてのお話です。いわゆる普通の顕微鏡ですね。正式名称は光学顕微。つまり、「光を通す物を見るための顕微鏡」です。光を通さないものを見たいときは、双眼実体顕微鏡(立体的に、20~40倍程度の倍率でみられます。)が便利です。
ポイント①置く場所
・水平で、直射日光の当たらない明るい場所に置く。
水平…実験器具なので当然。実際の授業では教科書やノートの上に平気で置く生徒もいますから、実験前の机上には「プリントと筆記用具だけ」などに統一し、邪魔になりそうなものは机の中にしまわせましょう。授業では、机の上の準備ができたグループから顕微鏡を取りに来るなどのちょっとした工夫も、安全上からも有効です。
直射日光の当たらない…レンズを通して観察しますので、直射日光が当たると目を傷めてしまいます。窓側の席のグループは特に注意。カーテンなどを必ず通してください。
明るい場所…「光学」顕微鏡なので、光を反射経で反射させて、対象物に光を透過させて観察します。直射日光はいけませんが、暗いと物は見えません。なので、適度な明るさの場所を選んでください。電気のついた理科室だったら通常は十分に見られます。教室環境が暗いようでしたら顕微鏡観察用の卓上蛍光灯などもありますので、利用するのもいいでしょう。
ポイント②各部の名称と取り付けの手順
・接眼レンズ、対物レンズの順に取り付ける。外すときは逆から。
各部の名称はこちらの図をご覧ください(中学学び広場より)
接眼レンズを先に取り付けて、後に取り外すのは「鏡筒や対物レンズの上にゴミが落ちないようにするため」です。
接眼レンズが外れた状態が長いと、ゴミが鏡筒に入るリスクが高くなり、鏡筒の中にゴミが入ってしまうと、観察した時に常にゴミ(ほとんどは小さなホコリですが、拡大されて見えると結構邪魔です)が見えてしまうので、なるべく長いこと接眼レンズはつけっぱなしにしておきたいところです。
中学受験でも問われるところなので、しっかり押さえておきましょう。
(顕微鏡の使い方手順はみんなちゃんと覚えるので、問題にしても差が出ないのです。だから、準備の手順が出題といて狙われることもあります)
ポイント③倍率
・接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率=顕微鏡の倍率
通常、接眼レンズは10倍(表記は「×10」)であることがほとんどです。なので、対物レンズに書いてある倍率を10倍すると求められます。
ちなみに、目に近いほうが「接眼」で、物に近いほうが「対物」です。子どもたちの中には案外、どっちがどっちがわかっていないことがあるので、授業では「目に近いほうが接眼だよ」の一言があると生徒たちの納得感が高まります。
対物レンズは、まずは倍率の最も低いものを使いましょう。通常は4倍の事が多いです。視野が広く、明るく見えるのが特徴です。
「低倍率で見て、見たいものを視野の中央に移す→高倍率の対物レンズに代える」
対物レンズを高倍率にすると「視野が暗く」なります。これは、「見える範囲と同時に光も切り取っているため」と伝えると、生徒の理解度が高まります。
観察の手順
これは教科書や様々な参考書にいい図がありますから、そちらを参考にするといいでしょう。ここでは簡単に触れておきます。
①接眼レンズをのぞきながら、反射鏡としぼりを調節して視野全体を明るくする。
②観察しようとするものが視野の中央にくるように、プレパラートを置く。
補足…プレパラート=スライドガラス+見たいもの+カバーガラス この式も黒板にメモしてあげると、生徒の理解度が高まります。
③真横から見ながら調節ねじを回し、対物レンズとプレパラートを近づける。
④接眼レンズをのぞきながら調節ねじを③と逆に回して、プレパラートと対物レンズの間を広げながらピントを合わせる。
補足…合言葉は「遠ざけながら、ピントを合わせる」です。見ながら近づけると、対物レンズでプレパラートを割ってしまうことがあります。高倍率の時ほど対物レンズが長いので、注意!!
⑤高倍率にするときは、ピントを合わせたまま、レボルバーを回して、高倍率の対物レンズにする。
家でも簡単に顕微鏡を使いたいな、という人はこちら。自由研究にも便利そう。
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この記事が、顕微鏡指導に悩む先生と、顕微鏡理解に悩む小中学生と保護者の方に届くと嬉しいです。
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