パンドラの箱と玉手箱

おはようございます!
朝7時からの学習塾
朝塾です。

とあるプリントの問題に、

「箱の中に、最後まで残っていたものは何でしょう」というものがありました。

ご存知、ギリシャ神話の「パンドラの箱」にまつわる問題。開けてはいけないと言われてしまった箱を開けてしまい、この世のあらゆる悪いものが飛び出していきます。しかし、箱の中には残っていたものがあります。問題の答えは、箱に残っていたもの、「希望」が当てはまります。(だから、人間の世界では、どんな時でも希望を持てるのですね。余談。)

パンドラの箱から話題は浦島太郎へと移りました。

こちらもご存知、玉手箱です。

浦島太郎が、乙姫様にお土産にもらう、箱。

開けると、中から白煙がでて、太郎はおじいさんになってしまいます。

皆さんどんなメッセージを、この話から読み取りますか?

「開けちゃいけないのに開ける太郎はよくない」

「人間は欲には勝てないのだ」

「そもそも、そんなものをお土産にした乙姫が悪い」

などなど、読み手によって様々な反応が出来るのが面白いところ。

私が支持しているのは、「箱の中には、太郎の【時間】が入っていた」という意見。

これは、以前、タイで日本語教師をしていた時代に、タイ人の大学生が述べた意見です。

つまり、「太郎が竜宮城で過ごした時間が、玉手箱の中には入っていて、太郎が帰るときに、乙姫はどうしてもその時間を太郎に返さなくてはならなかった(その時間は、太郎のものだから)。玉手箱を開けると、太郎に時間が戻り、歳をとってしまうことを乙姫は知っていたのだけれど、真実を話せない事情があって、でも、とにかく「開けてはいけない」事を強く伝えたのではないか」という意見です。

不思議なもので、思いもよらない意見が出てくると、それまで「乙姫は悪いやつ」という雰囲気がなんとなく漂っていても、一転、「乙姫はいい人なんじゃないか」という雰囲気に変わるのです。

多面的なものの見方、人の意見を聞く真摯さは、本当に大切だなと思いました。

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「パンドラの箱と玉手箱」への2件のフィードバック

  1. はじめまして
    「パンドラの箱と玉手箱」を興味深く読まさせていただきました。

    中でも「箱の中には、太郎の【時間】が入っていた」という部分は大変興味深いものがありました。
    タイ人の大学生さんもなかなかの思考能力者ですね。
    まあ、彼でなくてもそのような思考に行き着くのはままありますけど。
    ただ、その【時間】が入っていた「箱」がどのような「モノ」なのかを説明できないから意見を言いたくても諦めている人も多いと思います。
    途中までは意見として言うのは良いですが、結論としてその「箱」がどのような作用で人を老いさせるシステムかが科学的に説明できないと他者としてはここでも煙に巻かれたようでモヤモヤだけが頭に残ります。

    ワタシ的には、そもそもこの「箱」自体が無いのだと思っています。
    つまり竜宮城が他の恒星の惑星だったと仮定すると亀は宇宙船であり、光速を超えているので行き帰りをした場合、浦島は当然地球に戻ったときには年はとってはいるけど行ったときの地球の人よりは若いままであるのは科学的に不自然ではないでしょう。いわゆるウラシマ効果です。
    でもそのときにはすでに浦島太郎自身も龍宮城で年を取っていてそれなりの老人になっていたのです。

    乙姫は浦島太郎にはずっといてほしかったけど、年を取るほどあまりにもホームシックがひどくなり、とうとう帰してあげたのだと思います。
    ただし「帰ったときにはあなたが知っている人はもう誰一人いません。それでも良いですか?」と訊かれたはずです。乙姫は良い人なのです(なのか?)。
    でも、浦島は「そんな事はあるはずがない」と考え(当然です)帰郷してしまった。
    知識の違いがその後の悲劇を生んだのです。(知識は大事)
    というオチです。
    物語的に地球に帰ってきた浦島太郎の話を聞いた土地のものが玉手箱の話を脚色したのだと思います。

    また、もしも「箱」があって開けたら年を取るシステムならそれを知っている乙姫は悪いやつです。
    そもそも持たせないほうがまだしも良いかと?
    持たせて「開けるな」は「開けろ」に等しいですからねw ダチョウ倶楽部のネタは実は人間の心理的な行動理論をお笑いを通して教えているんですよね。

    1. アジャパー 様
      興味深いお考えを教えていただき、ありがとうございます。
      古典の中には様々な解釈があり、また、文化が違うと場面のとらえ方が変わり、都度勉強になりますね。
      また示唆に富んだお考えが浮かびましたらぜひ教えてください。

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